感染症学 細菌

消毒薬の作用

アルコール 細胞膜破壊、蛋白変性  
クロルヘキシジン 細胞膜破壊、細胞質凝集  
過酸化水素 フリーラジカルによる細胞成分の酸化 芽胞殺菌
ヨウ素 核酸や蛋白のハロゲン化 芽胞殺菌

アルコールは非エンベロップウイルス(アデノウイルス、ライノウイルス、エンテロウイルス、ポリオウイルス)に対しては脂質ベースのエンベロップが無いため殺菌性が低い

抗生剤

     
 ペニシリン トランスペプチターゼを阻害することで、細胞壁合成の架橋形成を阻害 (D-alanine-D-alanineに類似)  
     
アミノグリコシド 30Sリボソーム作用し、mRNAの翻訳を阻害 聴神経障害、腎障害
 トリメソプリム 葉酸代謝阻害   
 バンコマイシン グルコペプチドのポリメライゼーションを阻害。   レッドマン、腎障害
ダプトマイシン 膜チャネルを作り、細胞膜を脱分極させる 筋障害、CPK上昇、肺サーファクタントで失活する。
リネゾリド 50Sに結合して蛋白合成阻害 血小板減少、視神経障害、セロトニン症候群

バンコマイシン耐性化

細胞壁ペプチドがD-alanine-D-alanineがD-alanine-D-lactateに変更されると、バンコマイシンの作用がなくなる。これがVREの機序である。

アミノグリコシド

mRNAはリボソーム内でアミノ酸に翻訳される。

小さいリボソーム(原核生物の30S、真核生物の40S)はmRNAとtRNAに結合する

大きいリボソーム(原核生物の50S、真核生物の60S)はペプチドトランスフェラーゼを含む。

この内、30Sにアミノグリコシドは作用する。

 

周産期感染症

先天性サイトメガロ感染

子宮内感染で、胎児に脈絡網膜炎chorioretinitisのリスク。periventricular calcification, microcephaly

先天性トキソプラズマ Toxoplasmosis

undercooked meat or cat feces.

intracerebral calcification, chorioretinitis, macrocephaly, jaundice

先天性梅毒 Syphilis

transplacental transmission. RhinorrheaAbnormal bone, Desquamating rash 治療=penicillin.

先天性風疹 Rubella

難聴、Cataracts、PDAのリスク

cervical lymphoadenitis;staphylococcus aureus is the common cause

asymptomatic bacteuria in pregnancy;100,000< treat with AMPC/CVA cephalexinas risk of pyelonephritis

Gonococcal conjunctivitis;topical erythromycin

 

皮膚感染症

Preseptal cellulitis;simple inflammation of surface of preseptal space 眼球周囲の浅層

Orbital cellulitis;EOM limitied, proptosis

Bacterial sinusitis;commonlyviral upper respiratory infectionis preceeded

TSS;after tampon or nasal packing

impertigoとびひ

  • bullous水疱性=ブドウ球菌のexfoliative toxinAによるデスモグレイン1の離開,
  • non-bullous=SA or Strept。感染後に溶連菌感染後急性糸球体腎炎のリスクあり。Streptococcus pyogenesはpyrrolidonyl arylamidase (PYR) testが陽性となる。

治療はムピロシン塗布、第一セフェム

 

ジフテリア感染

Exotoxinであるジフテリア毒素により蛋白合成が阻害される(毒素がEF-2蛋白をリボシル化する)。咽頭局所の白苔付着を伴う炎症と、毒素が血流に入った場合の心筋炎や神経障害のリスクがある。

治療は抗ジフテリア毒素抗体と抗生剤

髄膜炎菌

Neisseria Menigitis。補体によるMebrane attack Complex(MAC)が欠損する場合、本菌による感染を繰り返す。

髄膜炎菌患者と接触した人は、できれば24時間以内、予防治療が必要である。予防治療は、小児ではリファンピシンがよく用いられる。他にはシプロフロキサシンやセフトリアキソン筋注がある。

髄膜炎の起炎菌

3ヶ月未満の新生児の起炎菌

1, Group B Streptococcus、2, 大腸菌、3, リステリア

3ヶ月以降の小児

肺炎球菌と髄膜炎菌が最多

マイコプラズマ mycoplasma pneumonia

気道上皮やRBCに発現するI抗原に接着し侵入する。そのため、IgMが交差反応をおこしう溶血が起こる。寒冷凝集も同様の機序で起こる。 

急性リウマチ熱 Acute rheumatic fever

streptococcus pyogenesによる未治療の咽頭炎の2−4週間後に発症する。心膜炎、汎心炎、舞踏症状、移動性関節炎。

溶連菌感染後糸球体腎炎の合併はまれ。

百日咳 Bordetella Pertussis

気管細胞障害毒素:繊毛上皮細胞を破壊する。lymphocyte dominant leukocytosis, night cough, petechiae in face, prophylaxis AZM after exposure regardless of vaccination

他の気道感染症

Lymphoadenopathy in teenagers;observe

mono Cervical lymphoadenopathy in child;SA is the most common

Retropharyngeal abscess;child age<4

Actinomyces;slow growing cervicofacial mass, penicillin

Ludwig angina;from dental root

Perioperative Parotitis;adequate hydration and oral hygiene

急性喉頭蓋炎 Epiglottitis

Hib vaccine reduce risk, as Hib is the most common.

 

 

menigococcal Waterhouse-Friderichsen syndrome

meningitis

most common= streptococcus pneumoniae

post meningitis complication

hearing loss(cochlea蝸牛damage), cerebral palsy麻痺, focal seizure,intellectual disabilities

brain abscess

viridans Strep, Staph aureus. 

感染性心内膜炎

mitral is most common. from UTI=enterococci

咬傷

ネコ Pasteurella multocida indor産生のためネズミ様臭
Bartonella henselae リンパ節炎
イヌ Pasteurella multocida  
Streptococci  
Staphylococcus aureus  
ヒト Anaerobes  
Streptococci  
Eikenella corrodens  

ガス壊疽

Clostriduim perfringenによる。同菌は食中毒の胃腸炎の原因にもなる。

ボツリヌス菌

自家製缶詰等の摂取による感染。Clostridium Botulinumによる。神経筋接合部の障害および自律神経障害(複視等)

炭疽菌

動物の毛(ウール等)や死骸の取扱から感染することが多い。炭疽毒素はcAMPを上昇させ貪食不全になる点で、百日咳毒素と共通している。培養のコロニーは”メデューサの頭”状。ポリペプチドカプセルはDグルタミン酸を含み貪食に耐性がある。

Q熱

Coxiella burnetiiの感染。動物の糞が感染源。頭痛、眼球後部痛、肺炎。白血球数は正常であること多い。血小板減少。

 

腸チフス Typhoid fever

Salmonella TyphiやS paratyphiで汚染された食品、水を摂取することで感染。途上国に多い。capsular antigen Viによる好中球の反応鈍化のため、マクロファージ内で増殖し、リンパや網様系を介して広がる。

  • 第一週:発熱、菌血症、比較的徐脈
  • 第二週:腹痛、体幹、腹部のローズスポット
  • 第三週:肝脾腫、腸出血、穿孔

非チフス サルモネラ

S enterica等による感染。鳥肉や鶏卵を介して。先進国でも発生。腸粘膜に侵入し、炎症惹起。感染は腸に限局する。水溶性下痢。

1才以下もしくは免疫不全患者には抗生剤(CPFX等)を投与するが、通常は抗生剤は不要である。

コレラ

Vibrio choleraeはoxidase positive, GN, まが玉型。水性環境に自然存在する。汚染された貝摂取で散発もする。便は多量の水様便で、WBCやRBCは乏しい。粘膜片は含まれうる(米の研ぎ汁)

 

Enterohemorragic E coli (EHEC)

bloody diarrhea, no ABx because of the risk of HUS

Genital ulcer 

painful;

herpes simplex:有痛性の小結節。HSV-2による。鼠径部リンパ節腫大、発熱。再発性だが、2回目以降は症状は弱い。有症状時に感染性が高い。(can be systemic fever, lymphoadenopathy, lumbosacral neuropthy, urinary retension, Dx=PCR),

haemphilus ducreysi=chancroid (large ulcer with gray or yellow exudate)

no pain; syphilis, chlamydia

淋菌

Neisseria Gonorrheaによる感染。尿道炎、子宮頸部炎。潰瘍は形成しない。抗原バリエーションが変わるため、免疫を獲得できない。治療はAZM+CTRX

Gonococcal pharyngitis + PID

Disseminted Gonoccocal infection;mono/polyarthiritis, dermatitis, tenosynovitis, nucleic acid amphilfication test (BCx is often negative)

Chlamydia

細胞内寄生細菌。

セロタイプA-Cは、トラコーマとなる。

セロタイプD-Kは、性感染症や結膜炎となる

セロタイプL1-L3は鼠径リンパ肉芽腫lymphogranuloma venereum(LGV)を起こす。LGVは初期は無痛性の潰瘍で、後に有痛性の腫瘤、潰瘍となる。細胞内封入体を認める。

gram stain negative, culture negative

梅毒 Syphilis

Jarisch-Herxheimer reaction(rapid lysis of spirochetes)=fever after ABx,gray oral lesion, diffuse rash, lymphoadenopathy, no pain singleulcer, indurated margine硬結性, nonexudative. if suspected, should be treated with empirical penicillin IM. RPR can be negative in initial stage. culture is always negative.

大動脈周囲血管の炎症を起こし、閉塞させることにより、大動脈壁が虚血性炎症となり、大動脈拡大を起こす。

レプトスピラ症 Leptospirosis

運動性のあるスピロヘータ。ネズミや犬猫の近位尿細管に存在し、尿中へ排泄する。動物の尿に汚染された水に暴露(カヤックや外での水泳)することで感染する。多くは大きな症状を呈さないが、ときに重篤化する。フル様症状、結膜充血、肝、腎不全。通常の培養は陰性で、特別培養でコークスクリュー型運動性のある菌を認める。

らい Leprosy

アメリカ南西部のアルマジロからの接触感染。

Mycobacterium lepraeによる。結節様とらい様の2つの時期に分かれる。

  • 結節様らいはTH1細胞による細胞性免疫応答(レプロミン皮膚テスト陽性)でIL-2, IFN-γ、IL-12で、マクロファージが活性化する。病変の広がりは抑えられるが、局所炎症による境界明瞭な色素欠損病変や感覚低下を認める。
  • らい様らいはTH2細胞による液性免疫が中心(レプロミン皮膚テスト陰性)でIL-4, IL-5, IL-10を認める。細胞内感染のため、液性免疫では病勢を抑えられず、全身性の播種、菌量の増加、ライオン様顔貌、鼻や指趾の欠損となる。抗らい免疫グロブリンはこの時期に増加する。

膣トリコモナス

緑の分泌液、生食によるWet mountの検鏡所見で可動性のある梨状の原虫を認める。膣内pH上昇がリスク。

治療=メトロニダゾール(アルコールの代謝物アセトアルデヒドから酢酸へ変換するアセトアルデヒド脱水酵素を阻害するため(嫌酒薬Disulfiramと同じ効果)、飲酒により頭痛、腹痛等が出現する。)

細菌性腟炎 Bacterial vaginosis

薄いオフホワイトの分泌物, 発赤、掻痒感は乏しい。 Gram variable rods。Fishyな臭い。クルー細胞(膣扁平上皮細胞で、細菌により辺縁が不鮮明)TX=MNZX or CLDM

カンジダ膣炎

厚いチーズ様分泌物。発赤、掻痒感。リスク=抗生剤使用(グラム陽性乳酸桿菌の減少)、エストロゲン上昇(妊娠等)、全身性ステロイド、糖尿病、免疫抑制状態。 Tx=FLCZ

Tubo-ovarian abscess

complex multiloculated adnexal mass, polymicrobal infection

尿路感染 UTI

女性はStaphy Saprophyticus(catalase陽性、Coglase陰性、Novobiocin抵抗性)が多い。

if urine is alkari=Proteus, culture is needed only when initial Tx fail

   Nitrofurantoin, Fosfomycin, ST, when complicated use FQ

エルシニア

腺ペスト。ネズミRodentが主な感染源。安全ピン様の菌体。

 

結核 Tuberculosis TB

PPD>5mm in HIV, immunosuppressant,>15mm in healthy population need to be treated with isoniazid and pyridoxineas a latent infection

ファンピシン DNA依存性RNAポリメラーゼを抑制

消化管副作用、発疹、ッド、オレンジ色に変色、血球減少

イソアジド ミコール酸合成抑制(好酸性を障害する) 神経障害(ビタミンB6で予防)肝障害
ピラジナミド 不詳 肝障害、高尿酸血症
エタンブトール arabinosyl transferaseの抑制? 視神経炎

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