胸水の鑑別、診断、予後因子

胸水の鑑別

胸水/血清 蛋白比>0.5   

胸水/血清 LDH比>0.6

胸水好中球優位

胸水Glu低値

鑑別疾患

 悪性胸膜疾患

 急性結核性胸水

(肺癌、肺塞栓症、ウイルス感染症、アスベストによる胸水)

肺炎随伴性胸水・膿胸の診断と治療(Light著 Pleural Diseasesより)

Class1: 通常胸水   

 側臥位写真上10mm以下の厚さ。

   →胸腔穿刺の適応なし

Class2:典型的肺炎胸水   

 10mm以上の厚さ。糖>40mg/dl、pH>7.2、

 LDH<正常血清の3倍。グラム染色と培養が陰性。

   →抗生物質のみ

Class3:境界性複雑性肺炎随伴胸水   

 7.0<pH<7.2またはLDH>正常血清の3倍、糖>40mg/dl

 グラム染色と培養が陰性。

   →抗生物質とそれに続く胸腔穿刺

Class4:通常複雑性肺炎随伴胸水

 pH<7.0または糖<40mg/dlまたはグラム染色と培養で陽性。

 小胞化してなくて、明らかな膿がない。

  →胸腔ドレナージと抗生物質投与

Class5:高度複雑性肺炎随伴胸水

 pH<7.0または糖<40mg/dlまたはグラム染色と培養で陽性。

 多胞化している。

  →胸腔ドレナージとフィブリン溶解剤(まれに胸腔鏡や被膜剥離術が必要)

Class6:通常膿胸

 明らかな膿が存在し、単房性

  →胸腔ドレナージ±被膜剥離術

Class7:高度膿胸

 明らかな膿が存在し、多房化している

  →胸腔ドレナージ±フィブリン溶解剤。しばしば胸腔鏡や被膜剥離術が必要

予後不良因子

 胸腔内に膿が存在する

 胸水のグラム染色が陽性

 胸水中の糖が40mg/dl以下

 胸水培養が陽性

 胸水のpHが7.0以下

 胸水中のLDHが正常の血清の上限3倍以上

 多房化胸水

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