ウイルス疾患

DNA Virus

Viral family Envelope DNA Structure memo
Herpes あり DS linear HHV1-8
Hepadna あり partially DS circular HBV
Adeno なし DS linear  
Pox あり DS linear 天然痘smallpox
伝染性軟属腫
Papilloma なし DS circular HPV
Polyoma なし DS circular JC virus
BK Virus
Parvo なし SS linear
(一番小さいDNAウイルス)
B19 virus
  • DNAウイルスはHHAPPPP
  • Parvo以外はDouble Stranded
  • Poxを除き、核小体で複製される

HSV-1 HHV-1

感染時はDyneinによる軸索を逆行性に移動。再発時は神経軸索をKinesinを用いて末梢へ移動する。

歯肉口内炎:小児に発症。

ヘルペス性脳炎:HSV-1, most common. focal neurological finding, behavioral change

Roseola infantum 突発疹

human herpesvirus-6, blanching erythematous macular rush

帯状疱疹ウイルス VZV=HHV-3

帯状疱疹は高齢者によく起こり、とくに身体外傷後の感覚神経外傷は発症リスクが高い。治療は72時間以内の発疹であれば、バラシクロビルを7日間投与する。妊婦や免疫不全の人に対して、直接的な皮疹部の接触はさける。帯状疱疹後疼痛に対しては三環系、ガバペンチン等を用いる。

EBV (HHV-4)

EBVはgp350によりCD21陽性細胞(Bリンパ球、鼻咽頭上皮細胞)に接着することで感染する。抗CD21モノクローナル抗体でEBV感染を防ぐことが阻害することが可能である。CD8陽性T細胞が感染したB細胞を駆除するために増殖する(異型細胞)

EBVに初感染後、生涯にわたるMemory B細胞に潜在的感染を起こす。

  • 散発的な再活性化による無症候性の粘膜感染症
  • アポトーシスを阻止する蛋白をコーディングすることによる、感染したB細胞の生存延長。感染B細胞の腫瘍化(バーキットリンパ腫、ホジキンリンパ腫)、上皮細胞の前腫瘍化(鼻咽頭癌、唾液腺癌)(高塩分食等で発症)
  •  

伝染性単核球症

末血にてCD8陽性のAtypical Cell(PerforinとGranzymeを含む細胞傷害性顆粒を認める)が認められる。

  • 9割はEBV感染。その場合、heterophile抗体を認め、ウマRBCに対しMonospot陽性、ヒツジRBCに対しPaul-Bunnel陽性となる。
  • 残り1割はCMV、HIV、トキソプラズマ等が原因。
  •  
  • EB; Pharyngitis+splenomegary=infectious mononucleosis, avoid sports for 3wks b/o spleen rupture, Dx=heterophileantibody(monospot), risk of airway obstruction

サイトメガロウイルス HHV-5

伝染性単核球症類似症状を呈する。ヘテロフィル陰性で鑑別される。

HPV

HPV-16はE6,E7という細胞増殖を促し、細胞アポトーシスを抑制する蛋白p53とRbを作る。これにより子宮頸癌、口腔咽頭癌(扁桃、舌根部)になりうる。声帯にも感染しうる。

感染細胞は空胞細胞koilocyteともなる。

Kaposi肉腫

HHV-8による。スピンドル細胞、血管新生を伴う。皮膚や消化管内にも生じる。

パルボB19ウイルス Parvovirus B19

赤血球のP抗原に接着し感染する。赤血球前駆細胞で増殖する。学校教師や学童に。感冒様症状に続く、急性発症の両側性関節炎(hands, knee), 一過性貧血、皮疹

RNA Virus

Viral family Envelop Structure Capsid symmetry memo
Reo なし DS Linear   Coltivirus, コロラドダニ媒介熱
ロタウイルス
Picorna なし     ポリオ
Echovirus
Rhinovirus
コックサキーvirus
HAV
Hepevirus なし     HEV
Calici なし     Norovirus
Flavi あり SS + Linear   HCV
Yellow fever
Dengue
St Louis encephalitis
West Nile virus
Zika virus
Toga あり     風疹 Rubella
Western and Eastern equine encephalitis
チクングニア熱
Retro あり     HTLV
HIV
Corona あり     風邪、SARS, MERS
Orthomyxo あり      
Paramyxo あり     Parainfluenza virus
RSV
麻疹 Measles
Mumps
Rhabdo あり      
Filo あり      
Arena あり      
Bunya あり      
Delta あり      
  • Reovirus(ロタ)を除きSingle Stranded RNA
  • Single stranded Positive sense RNAウイルスは酵素の助けなくともそのままmRNAとなり、ヒト細胞でタンパク合成を行うことができる(感染性が高い)
  • Negative sense RNAウイルスやDouble StarandedRNAウイルスは増殖のためにはRNA依存性RNAポリメラーゼも同時に細胞に入る必要がある。

ロタウイルス

segmented DS RNA ウイルス。十二指腸や近位空腸でウイルスは絨毛を超えて侵入する。絨毛の鈍化(吸収の低下)、分泌細胞の増殖(分泌性下痢)、刷子縁酵素の減少(代謝されないジサッカロイドの小腸蓄積)。ワクチンや既感染により免疫獲得できる。再感染時はIgA分泌により症状は軽い。

ノロウイルス

Single stranded RNA。水溶性下痢の集団発生。

コクサッキーウイルス

手足口病の原因。また、心筋炎の原因ともなる。

チクングニア熱 chikungunya virus

蚊により媒介。感染早期は高い発熱が3−5日間続く。早期の皮疹。その後、末梢性の多発関節炎。関節炎は2週間程度で通常改善するが、30%は慢性化しうる。その場合メソトレキセートが必要になりうる。リンパ球減少、血小板減少。Mexico or Caribbean countriesで。

Rabies

in US bat is common cause, bitten by dog=quaranttine (10 days) and if rabies suggestive, PEP

麻疹 Measles

ビタミンA投与は抗体機能を高め、死亡率を減らす。(肺炎、脳炎のリスクを減らし、入院日数、回復日数を短くする。眼合併症を減らす)

Vitamin A for treating measles in children.

Rubella

congenital=sensorineural hearing loss, cataracts, PDA. child=maculopapular rash sparing palms and soles. arthrigia

mumps

aseptic meningitis, orchitis

RSウイルス

冬期に気管支炎を起こすウイルス。喘鳴呈しうる。支持的治療が中心で、気管支拡張薬の吸入は現在ではエビデンスがなく、用いられない。診断は基本的には臨床診断のみで十分である。2ヶ月未満での感染んは無呼吸や呼吸不全のリスクが高い。RSV感染はその後の喘鳴再発のリスクがあるため、タバコの煙等への暴露を避ける必要がある。

herpangina

coxackie. oral lesion, small vesicles.

デング熱

蚊により感染。目の奥の痛み。関節痛、肝障害。皮疹。

デング出血熱

異なるセロタイプへの2回目に罹患時に強い症状を呈する。血小板減少

駆血によって皮下点状出血を呈する。毛細血管の透過性亢進により循環血漿量が減少し、循環不全を呈する。

アルボウイルス感染症 Arboviral infection

ウェストナイルウイルス、セントルイス脳炎ウイルス、La Crosseウイルス、Eastern&Western equine enchephalitisウイルスが含まれる。脳炎、髄膜炎症状を呈する。

鳥や小さな哺乳類をホストとしているが、節足動物(蚊、ダニ)による媒介が原因となるため、流行管理には媒介者の駆逐が必要となる。節足動物が増えるに流行しやすい。

West Nile virus

鳥の中で増幅し、蚊を介してヒトに感染する。小児、高齢者、免疫不全者において、ウイルスが駆逐できず発症する。

  • ウェストナイル熱:発熱、頭痛、丘皮疹。
  • 中枢神経侵襲(髄膜炎、脳炎、急性非対称性弛緩性麻痺、パーキンソン症状)

HIV

HIVはgp120によりCD4受容体とケモカインコーレセプター(CCR5やCXCR5)を用いて免疫細胞に接着し感染する。したがってCD4発現の多いTリンパ球、樹状細胞、マクロファージが感染の対象となる。

R5タイプのHIVはCCR5を用いるため、CCR5の発現が多いとされる、マクロファージとリンパ球に感染する(マクロファージ トロピック)。多くがR5タイプである。

X4タイプのHIVはCXCR4を用いるため、Tリンパ球にトロピックとなる。これはCXCR4がマクロファージにはほとんど発現しないためである。

これらのタイプはグリコプロテイン120をコードする、env geneのV3リージョンで規定される。

CCR5をターゲットにする薬剤(maraviroc等)はX4タイプには効果がない。

抗HIV薬

 

NRTI

(non-nucleoside逆転写酵素阻害)

Tenofovir

Emtricitabine

Lamivudine

Abacavir

Zidovudine

DNA鎖の延長を障害することで、RNAテンプレートからHIVのDNA合成を阻害する。

NRTI:競合的ヌクレオチ(シ)ド 逆転写酵素阻害

NNRTI:allostericな逆転写酵素阻害

NNRTI

(nucleoside/nucleotide逆転写酵素阻害)

Efavirenz

Nevirapine

PI

(プロテアーゼ阻害)

Atazanavir

Darunavir

Indinavir

Ritonavir

HIVのポリプロテインの分離阻害
Integrase inhibitor

Dolutegravir

Raltegravir

逆転写で形成されたHIVのDNAをホストに組み込むことを阻害
Fusion inhibitor Enfuvirtide gp41の結合を阻害し、HIVの細胞膜とのFusionを阻害する
CCR5 antagonist Maraviroc gp120のCCR5と作用を阻害する

 

副作用

Tenofovir:腎毒性があり、近位尿細管の障害

AvacavirHLA-B 57:01陽性の場合、Avacavirが結合するために遅延性アレルギー応答(IV型)が生じる

Efavirenz:NNRTI。central nerve complications (insomnia, vivid dream, dpression)

プロテアーゼ阻害薬

HIVのゲノムの3つの主要部位(env, gag, pol)のうち、gag-polのポリプロテイン分割を行うプロテアーゼを阻害することで、これら由来のHIV酵素や構造蛋白が作れなくなり、感染性を失ったHIVが産生されることになる。

副作用には脂肪組織の背部、顔面、四肢への沈着。インスリン抵抗性上昇による高血糖、チトクロームP450抑制。

Opportunistic infection in HIV

FLCZ is not recommended as prophylaxis, acyclovir is only for recurrence

MAC;if CD4<50, prophylactic AZM

PCP; if CD4<200, 銀染色。Prophylactic ST

Histoplasma;risk in CD4<100, Tx=AMBor Itraconazol, pancytopenia,lymphadenopathy, hepatosplenomegaly, lung,granuloma with yeast

Toxoplasma;if CD4<100, prophylacticST.

リングエンハンスメントを伴う、多発脳病変,治療=Sulfa+Pyrimethamine

Cryptococcal meningitis;pressure↑, Glu↓of CFS. no specific finding in MRI, Tx=AMB and flucytocine.

JC virus meningitis;patchy lesion

Cytomegalo; periventricular lesion。出血性病変を伴う網膜炎

Tissue invasive CMV;pneumonitis, gastroenterititis, hepatitis

cytomegalo esophagitis;liner ulcer

Kaposi sarcoma;human herpesvirus-8

Nocardia;immunosuppressant patient, gram positivebrancing rods(sometimes fail), partialy acid-fast,ST

Bacillary/Bartonella angiomatosis;cat scratch or lice bite. risk in CD4<100, vascular cutaneous lesion(bright red exophytic nodule), liver lesion, Tx=Doxy

HIV diarrhea;

 bloody=cytomegalo virus

 Other=cryptosporidium (severe watery diarrhea, animal contact、腸粘膜表面のクリプトスポリジウムのシスト), MAC(high fever), microsporidia (afeverile), Giardia. thus need to check ova/parasite

CNS lymphoma;HIV pt with EBV DNA in CSF, solitary periventricular lesion with weak ring-enhancement

HIV prevention duing pregnancy; viral load >1000=ART+Zidovudine+CS, <1000=ART+varginal delivery

HIV screening;HIV p24 antigen and antibody

抗ウイルス薬

  • ヌクレオシドアナログ薬:感染細胞内で複製されたウイルスのDNAに組込まれることで、ウイルスのDNA合成を停止する働きがある。リン酸化されてヌクレオチドとなった後、ウイルスの増殖を抑制する。リン酸化がウイルス依存性のもの(アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビル、ガンシクロビル)とホスト細胞依存のもの(ジドブジン、カミブジン)がある。例えばHIV患者のVZVではウイルスのチミジンキナーゼが欠損していることがあり、その場合アシクロビルは効果がない。アシクロビルの副作用には腎での結晶化があるため、十分な補液が必要である。
  •  
  • ヌクレオチド薬:ウイルスのキナーゼは要さずに効果を発現シドフォビル、テノフォビル等。
  • パイロフォスフェートアナログ:Foscarnethaガンシクロビル耐性のCMV感染に用いられる。副作用と低カルシウム(カルシウムをキレートする)、低マグネシウム(腎排出亢進)、副甲状腺ホルモン低下がある。

遺伝子再結合 Reassortment

分節的な遺伝子を持つウイルスはホスト細胞内で遺伝子を再結合して遺伝子を変化させることができる。

分節的なウイルスは例えば、インフルエンザウイルス、ロタウイルス、(オルソミクソウイルス、レオウイルス、ブンヤウイルス、アレナウイルス属)

Phenotypic mixing

単一細胞に複数のウイルスが感染し、遺伝子の変更なしに、構成蛋白が組み変わること

Recombination

非分節的な2本鎖DNAウイルスの2種間で遺伝情報を組み替えること。

インフルエンザウイルス

分節的なnegative sense RNAウイルス。表面グリコプロテインヘマグルチンがヒト細胞への感染性を決定する。

ノイラミニダーゼ阻害薬(Oseltamivir)はウイルスの放出を防ぐ。

ウイルスの侵入経路

サイトメガロ インテグリン
EBV CR2(CD21)
HIV CD4 と CXCR4/CCR5
狂犬病 ニコチン作動性アセチルコリン受容体
ライノウイルス ICAM1 (CD54)

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