血液腫瘍

白血病

Leukemoid reaction

重篤な感染、出血、溶血、腫瘍に対する反応。LAP scoreは高い。末血は成熟した骨髄球中心。全身性反応を反映して、左方移動、塩基性顆粒含むDohle body、中毒性顆粒、細胞質空胞がWBCに認められる。芽球はない。

An update on the etiology and diagnostic evaluation of a leukemoid reaction.

ALL, Acute lymphoblastic leukemia

小児で最多 (age 2-5 Male>female)。症状は bone pain (infiltration), lymphoadenopathy (cervical, inguinal, hilar infiltration), hepatosplenomegaly (infiltration), thrombocytopenia, anemia,等 ダウン症でリスクが高い。

リンパ芽球であるためperiodic acid Schiff (PAS) reaction陽性、リンパ球性を示すTdT(terminal deoxynucleotidyl transferase)陽性

前駆B細胞ALLが8割、前駆T細胞ALLが2割弱を占める。前駆T細胞ALLは前縦隔腫瘍を伴い、大動脈圧迫、SVC症候群、食道圧迫症状を伴いうる。末梢血所見は類似するため、表面マーカーで鑑別する。

前駆B細胞ALLはCD10、CD19、CD20陽性、前駆T細胞ALLはCD1、CD2、CD3,CD5陽性

Chronic lymphocytic leukemia CLL

高齢者に多い。Bリンパ球の腫瘍性増加fatigue and B symptoms, infection, BW loss. hepatosplenomegaly. hypogammaglobulinemiaのため易感染性。

スメア:成熟たリンパ球による急激なリンパ球増加症(no blast) 。成熟したB細胞が、骨髄内および末血内で増加している。(flow cytometryでCD20陽性) smudged cells汚れ細胞。

肝脾腫、血小板減少(重度であると予後が不良)、貧血、リンパ節腫大(頸部、鎖骨上、腋窩等)

治療=Rituximab(anti CD20 monoclonal antibody)、細胞アポトーシスを抑制するBCL-2が発現していることが多いため、BCL-2阻害薬(venetoclax)。これによりCaspaseが活性化し、アポトーシスを起こしやすくする。

AML

血球減少症状で発症。TDT陰性。ペルオキシダーゼ陽性のAuer rodsをもつ骨髄芽球を認める。

Acute promyelocytic leukemia (APML, or APL)

AMLのサブタイプ。Auer rods陽性。DIC合併t(15;17)の染色体転位による骨髄芽球分化障害するRetinoic Acid異常。most common adult leukemia, age 65, 1> cytopenias, 細胞分化を促進するビタミンA誘導体のAll-trans retinoic acid(ATRA)治療に反応良好。

Chronic myeloid leukemia CML

骨髄増殖性疾患。フィラデルフィア染色体 BCR-ABL t(9;22)が原因で、チロシンキナーゼ tyrosine kinase を活性化する。スメア:成熟した顆粒球と少しの芽球。leuko alkaline phosphatase (LAP) は低い(neutrophils are cytochemically and functionally abnormal)。absolute basophilia. 

治療はtyrosine kinase inhibitorであるimatinibを投与する。

骨髄増殖性疾患

CMLを除き、Janus kinase 2 (JAK2)異常(細胞質チロシンキナーゼ)に関連する。JAK2異常は、エリスロポエチンレセプターの細胞質側のチロシンレセプターに作用し(持続性のチロシンのリン酸化になり)、STAT経路の活性化となる。その結果、核酸転写が亢進し、骨髄増殖が亢進する。

  • 原発性骨髄線維症 Primary myelofibrosis;巨核球Megakaryocyteのモノクローナルな増殖で、分泌されたTGF-βにより骨髄が線維化する。疲労髄外造血による肝脾腫、貧血、骨髄線維化(dry tap)。骨髄は線維化髄と巨核球を認める。脾腫や線維化髄による影響でDacrocyte 涙型RBC。Ruxolitinib(JAK2阻害薬)
  • 真性多血症 hypercythemia(polycythemia) vera モノクローナルな骨髄増殖。水性掻痒感、脾腫、facial plethora、血栓症、RBC、Plt増加、 (3 lines elevation)。 EPO はnegative feedbackで低い。ESRは相対的なfibrinogen低値で低い。治療=phlebotomy, 血栓症にはhydroxyurea
  • 2次性のpolycythemia(EPO増加等)は脾腫は伴わず、RBCのみの増加。
  • 本態性血小板増加症;出血よび血栓症、Plt増加

Hairy cell leukemia, chronic B cell leukemia

中年男性に多い。腫瘍B細胞の骨髄浸潤、サイトカインによる骨髄線維化と血球減少、正中を超える巨大脾腫(赤色脾髄へのinfiltration) 。左上腹部痛、疲労、発熱、易感染性。スメア=有棘性白血球leukocyte with hairy cytoplasmic projection

リンパ腫

リンパ腫では活性型ビタミンD分泌による高Ca血症が見られうる

Hodgkin lymphoma

無痛性リンパ節腫脹painless lymphadenopathy。B symptom(night sweat and fever)。 normal CBC(リンパ腫であって白血病ではない)。 Bリンパ球の悪性細胞である巨大双核細胞(フクロウの目=Reed-Sternberg cell)を認める。

Non-Hodgkin lymphoma

Diffuse B cell lymphoma

最多のNHL。首、腹部、縦隔もしくはリンパ節外のリンパ節増大。消化管も巻き込まれる。B症状。

Follicular lymphoma

non-Hodgkin lymphoma(NHL)の一種。成人の無痛性NHLで最多、NHLでは2番目に多い。サイズ変動するリンパ節腫脹。濾胞中心細胞からなるB細胞腫瘍。濾胞の過増殖により正常リンパ節組織を圧迫。t(14;18)により、腫瘍のapopotisを阻害するBCL-2(B-cell Lymphoma-2)が過剰発現する。

Berkitt リンパ腫

NHL。ほとんどケースはEBウイルス感染による。Bリンパ細胞の腫瘍性増殖。急増大する顎、腹部のリンパ節。染色体8番のC-MYCの転位。増殖指標Ki-67 fractionがほぼ100%であり、中等度サイズのリンパ球のモノトーンなびまん性増殖。(N-MYCは神経芽細胞腫)

EBウイルス感染後のリンパ節腫大は2−3週間で改善する。数ヶ月経っても持続するリンパ節腫脹はリンパ腫の可能性もあり、生検を行う。

悪性のリンパ節腫大

悪性のリンパ節腫大はモノクローナルなリンパ細胞の増殖。良性の場合はポリクローナルである。

Myelodisplastic syndrome (MDS)

malignant stem cell disorder causespancytopenia, ovalomacrocytosis of erythrocytes, hyposegemented granulocytes  

多発性骨髄腫 Multiple myeloma

成熟したmonoclonal plasma cellと芽球による(好塩基性の細胞質)による骨髄浸潤 (osteolytic symptom, 高Ca血症), serum protein M-spike in electrophoresis (IgG, IgA). 軽鎖±重鎖グロブリン軽鎖は腎障害となる(kappa, lamda light chain, Bence Jones protein)。軽鎖は尿中所見として認められ、また組織沈着も起こす(アミロイドーシス、コンゴレッド染色でapple green)。連銭形成. 易感染性(B細胞障害、hypogammaglobinemia) 正球性貧血。ESR高値となる。

診断後は全身の骨精査のため、全身CT、MRI、PETを施行する。

治療はプロテアソーム阻害薬(bortezomib)。形質細胞は免疫グロブリンをプロテアソームで不要蛋白質から再生された蛋白質を用いて合成しているため、プロテアソームを阻害することで、有毒蛋白質が形質細胞内に蓄積し、cell apoptosisとなる。

Waldenstorm macroglobulinemia (WM)

lymphoplasmocytic malignancy, excessive production of monoclonal IgM antibody=M spike. Rouleaux=hyperviscosity syndrome, neuropathy (electric sensation),infiltration (hepatosplenomegaly, anemia, thrombocytopenia

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