本稿ではUSMLE STEP2CSの最短合格に向けた対策を紹介します。
私の考える最短対策
1:First Aidや他の対策本からの通常質問事項の聞き方を一通りマスター。
2:英単語のタイピング練習(スペルアウトができるかどうか)
3:リスニング、英会話、口語表現への対応
4:代表的な主訴への対応訓練(14分程度の時間内対応を目指す)
5:Challenging Question, Challenging Situationへの対応法のマスター(これはパターン学習です。)
基本的には、項目1,2,4,5に関してはFirst Aidで網羅できます。
ただし、より効果的な体験学習としては、NYCPREP等の塾の3日間コース等の事前参加が理想的と思います。(3−4週間ほど前の事前受講が肝だと思います。)
3に関してはUSMLE対策に特化した英語コースを受講することが早道だと思います。本来的には、じっくり英語力をアップすることが望ましいと思いますが、これは一朝一夕には達成できませんので、試験対策に特化した英語学習(具体的には適切なフレーズを覚え込む、SPに言われうる回答に慣れる)が早道だと思います。
1に関して、まずは一通りの流れでマスターしたら(入室、自己紹介、主訴の問診、既往歴等の問診、身体診察、サマリーおよびカウンセリング)、4について、FAの40ケースを用いて1の流れを練習して身につける事が大切です。
私はNYCPREPの12ケースの模擬試験および、たまたま私の周りにいた英語ネイティブの医学部生にお願いして12ケースほど、後はNYCPREPのSEP学習コースでの4ケースほど練習を行いました。残りのケースは読んで対応法に目を通しました。
アメリカの塾に実際に参加すると、直前受講者よりも1ヶ月ほど前の受講者が多く、その場での情報交換が非常に参考になります。また、他の受講生が受験した後に、勉強アドバイスを得ることもできますので、ぜひ事前受講をおすすめします。
採点項目
SEP:これは英語力です。発音、特に日本人はRとLの発音が弱いので(Sleep, Light, Right, Travelなど)、中が必要です。リスニングの理解力も必要になります。特に主訴が何をしている時に生じたか、誰と住んでいるか、職業は何か、等を聞くときに重要になります。一般的な薬、(Tylenol(解熱鎮痛薬), Tams(市販の胃薬)で十分)に慣れることも必要です。
ICE:これはカルテ記載です。略語の使い方、記載方など、これらはFirst Aidや日本のネット情報だけでは不十分なので、アメリカの塾に行くことをオススメします。
CIS:医師としてのプロ技術(問診、身体診察)と共感等の人間性が問われます。適切に同情の念をしめす事(I’m sorry to hear that等)が大切です。
日本人受験生は基本的にはSEPがネックになることが多いようですので、英語学習に重点をおく必要がありそうです。特にカウンセリングでは個別のシチュエーションは多岐に渡りますので、フレーズの暗記だけでは、対応しきれないことが多いと思います。基本的なカウンセリングの流れ、方針を覚えて、アレンジすることが求められます。
USMLE STEP2CSの当日の持ち物
USMLE Exam Permit
パスポートや英語圏の政府発行の運転免許証等の写真付きIDカード
あると良いもの
歯ブラシ
リップクリーム(多くのAmerican studentsが持っていました)
目薬
バナナ等の果物
これらは試験会場の待機場所のテーブルに置くことができます。
試験中はパスポートまたはIDカードと1枚のクレジットカード、現金をポケット内にいれおくことができます。クレジットカードはおそらく、火事等が起こった際の財布代わりなのでしょうか。
食事や水、コーヒー、紅茶等の飲料、ティッシュは提供されます。
当日の流れ
当日は7時45分集合、ID確認、白衣、聴診器チェック、ガイダンス等で試験開始はおよそ9時頃になります。
15分のEncounterと10分のカルテ記載の25分を3コース毎に10分の休憩があり、
2回目の休憩時に30分のランチとなり、食事が提供されます。
終了時刻はおよそ15時頃となります。
衣服は基本自由ですが、男性はネクタイ着用、女性は無地のカットソーにパンツスタイルが大多数でした。靴は革靴が大多数でした。
当日の注意点としては食事を取りすぎると、眠くなることや、後半は集中力が切れてきたり、またSPも多少疲れ(腹部所見時に自ら所見を口にするSP等)が見えてきますが、後半が適当にならないよう気をつけることが大切です。
休憩中は英語のみの会話が許可され、試験内容以外の雑談タイムとなります。
まとめ
最短対策としては、First Aidから必要なフレーズを覚え込む。
どこかのアメリカの塾のコースに事前に行き、その塾の必勝法にアレンジし直す。
現地情報を参考にしながら、友人、英語講師等でFAのケースを可能な限り練習して、時間内に終わるようトレーニングする(14分を目指す)。