各種代謝障害、ビリルビン代謝

ビリルビン代謝

Heme
Heme oxygenase マクロファージ等
Biliverdin
Biliverdin reductase
非抱合型ビリルビン
Glucuronyl transferase 肝臓
抱合型ビリルビン
Bacterial dehydrogenase 腸管
Urobilinogen
Stercobilin
便として排出

内出血時はHemeとして出血し、Biliverdinで緑色になり、非抱合型ビリルビンで黄色くなり、肝臓に運ばれさらに代謝される。

ホモシスチン尿症

マルファン様体型、水晶体偏位、精神発達障害。また、ホモシステインは凝固促進するため、塞栓症を呈する。また血管への障害性から動脈硬化を起こす。メチオニン回路の中でホモシステインからシステインcysteineの形成が障害されることが原因の大半。そのため、メチオニン濃度の上昇を認める。また、システインが必須アミノ酸として摂取が必要となる。ホモシステインを代謝するために葉酸やピリドキシン(ビタミンB6)投与が必要。

高ホモシスチン血症

ホモシスチン尿症も含まれる広義の疾患概念である。もっとも多い遺伝子異常はMTHFR欠損によるホモシスチンからメチオニン変換障害。他の原因にはビタミンB12、ビタミンB6、葉酸欠乏でも高ホモシスチン血症となる。ホモシスチン尿症同様、塞栓症等を呈する。

高アンモニア血症

通常、アストロサイトが神経間でのグルタミン酸を調整し、異常興奮を防いでいる。アンモニアはBBBを通過し、アストロサイトでのグルタミン産生の増加、浸透圧の増加となり、神経細胞へのグルタミンの返しが少なくなる。そのため、神経間のグルタミン酸が欠乏する。(グルタミンーグルタミン酸ーサイクルの障害)

晩発性皮膚ポリフィリン症 Porhyria cutanea tarda (PCT)

ポルフィリン形成の後半の経路の障害(Uroporphyrinogem decarboxylase URODの欠損)。蓄積したポルフィリノーゲンが反応するための光線過敏症(水疱形成)

急性間欠性ポルフィリア Acute intermittent porphyria

ポロフォビリノーゲン(PBG) デアミナーゼ欠損による、Aminolevulinic acid(ALA)およびポルフォビリノーゲン(PBG)の蓄積による急性症状。中年発症、色素尿(by porphyrins), neurovisceral symptoms, non specific psychiatric symptom (from psychosis to insomnia), 腹部症状 (vomiting, constipation) sensory and motor neuropathy。ALAの産生はCYP450 inducer、飲酒、喫煙、プロゲステロン、低カロリーの食事によって促成され、hemeやグルコースによって減少する。予防として飲酒、喫煙、CYP450促進薬剤をさける。急性治療としてheme(hemin)投与炭水化物投与が有用である。

ウィルソン病 Wilson disease

常染色体劣性遺伝。ATP7B異常による肝臓での銅の蓄積。若い年齢(小児から青年期)で発症。急性肝障害、肝硬変基底核basal gangliaの萎縮。神経症状(パーキンソンニズム、歩行障害、関節障害)、精神症状(抑うつ、人格変化、サイコーシス)。セルロプラスミン低下、Kayser-Fleischerリング、治療=Dペニシラミンでのキレート、亜鉛(銅の吸収を阻害)

通常、余剰な銅は胆汁へ排出され、便として排泄される。

ヘモクロマトーシス

常染色体劣性遺伝。中年以降の発症。腸、肝臓における鉄レベルを誤検知するHFE蛋白の異常。小腸からの過剰な鉄吸収による臓器障害。肝硬変糖尿病心筋症、関節障害。フェリチン高値、トランスフェリン飽和度上昇。

アミノ酸と派生物

前駆アミノ酸 派生物
アルギニン NO
アルギニン+アスパラギン酸 尿素
グリシン+スクシニルCoA ヘム
グリシン+アルギニン+SAM クレアチン
グルタミン酸

GABA、グルタチオン

グルタミン酸+アスパラギン酸 ピリミジン
グルタミン酸+アスパラギン酸+グリシン プリン
ヒスチジン ヒスタミン
チロシン ドパミン、エピネフリン、ノルエピネフリン、サイロキシン、メラニン
トリプトファン セロトニン、メラトニン、ナイアシン

 

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